いつも、もどかしく思っていました。
スギやヒノキの床、漆喰の塗り壁、瓦屋根。
どれも、この国で遠い昔から使われてきたものです。
いわゆる「新建材」もピカピカでいいものですが、これらの素材には、やっぱりなんだか「五感で感じる上質さ」があります。
スギ・ヒノキの床は、足ざわりがやわらかく、冬でも冷たくなりすぎず、さわやかな香りと、経年変化の色の味わい。
塗り壁は、やわらかい光の反射と人の手による仕上げが生み出す、落ち着いた雰囲気。
そしてどちらも吸放湿性能があり、室内の空気感を快適なものにしてくれます。
瓦屋根は陶器なので、重厚感があり、光の反射も自然で、質感が高い。
最近ではフラットな形状のものもあり、より現代の外装に似合うものに。
しかし、世間のイメージはどうでしょうか。
上質感には共感して頂けることもありますが、特に多いのが、国産材の床や塗り壁は「傷や汚れがつく」。
それは間違いありません。
国産材の床や塗り壁は、傷や汚れがつきます。
人が暮らすことで、傷や汚れが付きます。
人が暮らすことでできた傷や汚れは、欠点でしょうか?
私は、家族の歴史だと思います。
と言いつつ、私も自宅のヒノキの床に傷がついたら、その時はショックを受けます。笑
でもそれも受け入れて、だんだん、気にしなくなっていく。
ものの変化を受け入れる余裕ができていく。
これって、なんだか現代人が失った豊かさのひとつだと思うのです。
ただ、こういった素材を実際に見て触れる機会は減りました。
ほとんどの家が、いわゆる「新建材」で仕上げられるようになったからです。
五感で感じる素材だからこそ、目で見て触れないと、良さを感じることは難しい。
だから今回、平田木材店ではそれを感じられるモデルハウスを建てることにしました。
また、そのコンセプトを整理し、「昔からあってよいもの」に「新しくてよいもの」を積極的に取り入れながら、現代の仕様・デザインに落とし込み、あたらしいブランドにすることにしました。
今年中に完成予定で、情報は随時ブログやFacebook、instagramでアップいたします。
ご興味のある方は是非、ご覧頂ければと思います。