梅雨が来なかった分(?)、この土日は雨がたくさん降りました。
夏らしい激しい土砂降りでした。福井市の方は記録的な大雨だったみたいです。
最近、大雨が降るたび、土砂崩れが起きたという話を聞きます。
原因のひとつは、山に生えている木が細いままで根が弱く、土壌が弱くなっているからだそうです。
健康な山は雨が降ってもたくさん水を蓄えることができ、その水は土壌に含まれる栄養分と共に川に流れ、海に注がれて、海を豊かにします。
つまり、山と海はつながっているんです。
山に生えている木が細い理由はなんでしょうか?
正解は、間引きができていないから。
ここで話は明治~戦前の成長期まで遡るのですが、その頃、日本の木はかなりのペースで伐採されていて、植えられる量より伐採する量の方が多かったみたいです。
スギの木は使える太さまで育つのに30年~50年かかりますので、戦後は国内の木が足りなくなり、価格が高騰。
輸入を解禁してなんとか凌ぎ、国策で一気に植林をしたものの、また木が育つまで30年~50年かかります。
売り物になる木がない状況が長く続くと、林業の経営が成り立ちません。
経営が成り立たなければ、人が減るのも当然です。
ということで、一気に植えられた木だけが、間引きもされず山に残ってしまったというわけです。
(細かいところを乱暴にまとめていますので、大体の流れとしてお考えください><)
さて、では、どうすればいいのか。
答えは、とにかく日本の木を、地域の木を、適切な価格で適切な量を使っていくこと、使い続けていくことだと思っています。
ただもちろん、これは簡単なことではありません。
グローバル化が進んだ世界で、この世のあらゆる商品は常に世界との価格競争にさらされています。
基本的に、価格競争に勝てなければ使われることはありません。(マーケティングの話はいったん横に置きます)
自然環境の大切な一部を為す「木」は、果たして他の商品と同じように考えてもいいのか。
日本は、自然環境と、天然資源と、どのような関わり方をしていくのか。
でも、無理に使おうとするとお金がかかる。背に腹は代えられない・・・のか?
まさに、今の言葉でいう「SDGs」を考えることですね。
今年の常識が来年には通用しないような時代ですが、人間の感性に、木の建築や内装を見てリラックスしたり、木漏れ日や木々のざわめきを「いいなあ~」と思ったりする感覚がある限り、目指すゴールは変わらないのだろうな~と思ったりします。
いつも以上に真面目な話になりました(汗)
少しばかり、木々に、(そして山に、川に、海に)思いをめぐらせて頂ければこれ幸いです!
(↑山と海に挟まれた町・若狭高浜のある日の夕暮れ)