VOICESお客様の声

「教育」の原点は住む家にあり

鋸谷 様

私は、福井県高浜町で林業を営んでおります。今の仕事に就くまでは、福井県の林業関係の職員として36年間勤務し、その後、今の林業の道へ入りました。林業は食っていけないとばかり言われますが、決してそうではない。林業の中でも最も分の悪いポジションにおいてもメシは食っていけるということを私自身が実践して皆さまに示したく、森林組合の下請けという形で、現在の仕事に就いています。この仕事の楽しさを伝え、憧れをもってもらえる仕事にすることが一つの目標でもあります。
現在の自宅は2002年に建築しました。山で木を伐ってから1年間、山で乾燥させて、それから搬出をして、製材をして、また1年間乾かして、3年目にやっと今の形になりました。ですから、1999年から伐り始めて、約4年間の歳月をかけたことになります。長い歳月をかけたからこそ、とても愛着のある家なんです。

1本1本の木を見極める平田木材店

平田木材店は地元の企業さんですから、当然存じ上げていました。また、この家を建てるまでに、色々と家の内覧会を見て歩いた中で、平田木材店の設計や施工方法が他社と全然違いました。木材というのは、1本1本全部性質が異なります。人間もそうです。生き物、自然物というのは、全部違うわけなんです。同じものは何一つとして無い。その1本1本違う木の性質をきちっと見極めて、その木をどこに使えば良いかと分かった上で施工してくれる。それが平田木材店の施工方法でしたので、これは平田木材店にぜひお願いしたいと思い依頼に至りました。

生活様式の変化に合わせて形を変える家

家を建てても20年から30年経つと生活様式が変わっていきます。家の間取りを変更しなければいけないこともあります。これが家を長く使えない原因の一つです。ですから、この家は、間取りを90㎝単位で自由に変えられる空間にしてあります。真ん中に大黒柱を2本。また外回りにも柱を入れていますが、これらは1本たりとも切れません。しかし、中にある柱は全部抜いても構造上は問題ない。という設計になっているんです。ここのスペースが台所まで含めて約30畳ありますが、このような大きな空間が欲しい時には、そのまま使えば良い。生活様式が代わって、8畳くらいの狭い部屋にしたいという時には、広い部屋に柱を立てて小さくすることは簡単にできますよね。それは自由にできると。そういう設計をしていただいたわけですね。
私はこの空間、間取りで家を作りましたけれども、私の子供はもうこの空間は嫌だということで、どんどん変えていけば良い。だから、この家を最終的につぶした時がこの家の完成です。そういう想いで建てております。

人間は家によって育てられる

この家の完成後、完成内覧会をやっていただきました。その時に足を運んでくれた老夫婦が、ここの縁先に座って「こんな家で子供を育てたら、良い子供に育つわな~」というお話をされていたんですね。まさに私が狙ったそのままの言葉でした。人間は家によって育てられると思っています。最近の家は木造と言いながら大壁工法ですから全く見えない。それでは表面しかモノを見ない人間になってしまう。この家では家の構造そのものを見ながら育ちますから、物事の仕組みを見ながら育ってくれる。そこが老夫婦の仰った「良い子に育つわな」という言葉に集約されているのだと思います。「教育」の原点は人が住む家にあります。世代を超えて、想いを紡ぎ、その時々の生活様式に合わせた間取りで生きていく。そんな人としての原点が木の家にはあると思っています。この想いを一人でも多くの方に提供できるよう、林業に携わる身として、これからも励んで参ります。

施工概要

住宅スタイル森スタイル
階数地上2階建
敷地面積153.3㎡
延床面積287.18㎡
間取り4LDK
建築用途住宅
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